エボラ出血熱の感染拡大が深刻な問題になってきています。
アメリカでも一人がすでに亡くなっており、その彼の治療に携わった看護士ふたりも感染した模様です。当初は中央アフリカ西海岸諸国に限定されると伝えられていた感染も、次第に世界各地へ拡がり始めているようです。私たち人類は、いつの時代になっても、あくなき伝染病と戦ってきたようにおもいます。
先日、あるラジオ番組で、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏が話していた内容にゾッとしました。彼の話によると、今後非常に心配されることの一つが、イスラム国やアルカイダ組織などのテロリストが自爆テロを目的としてエボラ出血熱に自ら感染し、旅行者として西側諸国に潜入することだそうです。例えば、感染したテロリストが新宿や渋谷の雑踏の中を歩き回って、不特定多数の人々に感染させるというシナリオです。まさにパンデミックによる破壊工作です。
「まさか!」と思われるかもしれませんが、実際、銃や爆弾よりも容易く、それも多数の人間を死に至らしめる効果のあるテロ行為であることに間違いありません。もしそんな事態になれば、おそらく社会は極度のパニックに陥り、秘かに忍び寄ってウイルスを撒き散らす敵に対する防御は非常に困難です。最悪の事態といえます。
「うちわ問題」や「明治座観劇会問題」で大騒ぎしているヒマがあったら、国民の生命を守るため、エボラ出血熱を介した新たなテロ活動の可能性や対応について議論を始めるべきではないでしょうか。あまりに平和ボケしているといえます。「エボラ」は、「エバラ焼肉のたれ」ではないのです。