2013年6月9日日曜日

シリア内戦で誰が得をしているのか。

中東シリアでの内戦が続いています。アサド大統領の率いる政府軍と反体制派組織との武力戦闘は日々泥沼の様相を呈しています。いまだ収束の目途はたっていません。ところで、内戦で使用されている武器・弾薬などは一体どこから調達されているのでしょうか。

アサドを支援しているのはロシアであり、反体制派側は欧米です。つまり戦闘につぎ込まれている大量の武器・弾薬などはこれらの国々の軍需産業から流れています。シリアの無数の無辜(むこ)の市民を死に追いやり、それによって莫大な利益を得ているのは、これらロシア、イギリス、フランス、アメリカなどの軍需産業です。ということは、シリアの内戦が長引けば長引くほど利益は増大していると言えます。

いまからちょうど6年前、あるジャーナリストがモスクワの自宅アパートの5階から投身自殺をしました。彼の名はイヴァン・サフロノフ。軍事新聞コメルサントの記者でした。この自殺には当初から不審な点が多かったようです。

彼の家族や同僚の話によると、まず自殺する理由が見当たらなかった。それに彼の部屋に通じる階段には買ったばかりと思われるオレンジが散乱しており、彼の帽子も見つかっています。これらの状況証拠から彼は事故か事件に巻き込まれたのではないかと思われました。しかし不思議なことに当局はあくまで自殺として処理しました。

ところがサフロノフは自殺したとされる直前、彼の上司や同僚にFSB(ロシア特務機関、旧KGB)から警告を受けていたと告げていました。当時サフロノフは、あるロシア人グループがシリアとイランに新型ミサイルと戦闘機を供与しようとしている情報をつかんでいました。しかもロシア政府が隠れみのとしてベラルーシ経由で闇取引をしているのではないかと調査をしていました。まさに莫大な取引です。

サフロノフがFSBに脅されていたのは、その闇取引にはプーチン大統領の出身母体である旧KGBメンバーが絡んでいるとみていたからです。つまり旧KGBメンバーたちはプーチン大統領の承認を受け、大量の武器や弾薬を国外に横流ししていたことになります。サフロノフは自殺したのではなく、明らかに組織によって殺害されたと言えます。闇取引が国際的スキャンダルになる寸前のことでした。

あと6年というロシア大統領職に収まったウラジーミル・プーチン。取引で得た莫大な金が誰の懐(ふところ)に入ったのかは、明らかなようです。そして、シリアの内戦は続いています。

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