2013年4月16日火曜日

「行く」か?「来る」か?

先日、同僚と電話で話をしていて、つい、「じゃあ、これからそちらに来ます」、と言ってしまいました。同僚からは、「やはり九州人ですね。普通は『これからそちらに行きます』ですよね」、と言われてしまいました。こちら関東へ転勤して既に13年余りになりますが、やはりお国言葉は出ますね。

しかし考えてみると、「来ます」と言うのは、話している相手側を念頭に置いた言葉です。つまり、「来ます」と言ったときには、へりくだって先方へ自分の身体を預ける感覚があります。一方、「行きます」と言うときには、あくまで自分を中心に置いた行動を表しているような気がします。A地点からB地点へ直線的に「行く(go)」のか、B地点の目的地に自らを置いて、A地点にいる今の自分を「来る(come)」ようにさせるのか、話し手の思考に微妙な違いがあるというのは興味深いものがあります。

ちなみに、この場合英語では、I'm coming over と言います。つまり、話し相手に対して「来る」という同じ感覚で、「go」ではなく「come」を使うわけです。言い換えれば、現代の国際標準語(International Language)ともいうべき英語と同様な語法をとっていることになります。ということは、「来ます」という日本で方言ととられている言葉は、実はグローバル・スタンダードではないか。コンピューターOSの世界におけるWindowsのように、日々世界各地で話されている言語のディファクト・スタンダードではないか。方言と思われている言い方は、世界からみると実際は標準ではないか。したがって、どこに基準を定めるかによって、ものの見方は違ってくるのです。

以上、そんなことをツラツラと考えてしまいました。 まあ、どうでもいい、くだらない、タワゴトですね。それではお腹も空いたので、今からランチへ「行って」「来ます」。

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