2012年4月25日水曜日

自動車事故の悲劇

先日、京都で18歳の運転する軽自動車が小学生の列に突っ込み、8歳の女の子と身重の女性をはねて死亡させました。無免許運転だったとのことです。許されざる犯罪です。

新聞によると、一晩中友人らを乗せて走りまわっていたようで、居眠り運転が事故原因のようです。少年は元暴走族だそうです。未成年ということで、氏名は明らかにされていません。親の監督責任も重大だと思います。

私も小学生の娘たちを持つ親として、今回の交通事故は他人事ではありません。いくら安全に気をつけても、いきなり車が突っ込んでくるのですから、防ぎようがありません。まさに車は凶器となるのです。

登下校道路には少なくともガードレールを設置するか、時間帯での通行制限やスピード制限を設けるべきでしょう。子供たちの日々の安全を守るため、地域住民や行政がやれることはまだまだあるのではないでしょうか。

亡くなられたおふたり(胎児を含めると3人)の家族の方々の心痛やいかばかりか。重軽傷を負われた被害者の方々の一日も早い快復を祈ります。

2012年4月24日火曜日

赤穂浪士伝



久しぶりに面白い時代小説に出会いました。

海音寺潮五郎という小説家については、以前、司馬遼太郎との対談集「日本歴史を点検する」で読んだことがあったのですが、作品としては今回始めてでした。

井沢元彦の「逆説の日本史」シリーズにも度々その歴史観について取り上げられていたので、以前から一度読んでみようと興味はあったのです。しかし、なにぶんその名前からして少々胡散臭く感じていたので、小説を手に取ることはありませんでした。

聞くところによると、司馬遼太郎が本格的に文壇へデビューする前、その技量と才能を高く評価していたらしく、直木賞の選考委員会でも強く受賞を推薦したそうです。司馬にとっては、恩人とも呼べる先輩であったようです。

こんな話があります。ある時、司馬遼太郎が年来疑問に思っていたことを海音寺に問うたそうです。それは、なぜ織田信長は、武田騎馬軍団を殲滅させた長篠の戦いの戦場まで岐阜から1週間もかけて行軍したのかということだったそうです。つまり、通常2・3日もあれば十分な距離を、どうしてそんなに時間をかけたのかということです。

たぶん司馬は、「最強武田騎馬軍団に恐れをなして逡巡していた」とか「馬防柵の準備に手間取っていた」といった答えを予想していたのかもしれません。司馬自身、いろいろと調べてみても明快な答えが見つからなかったのかもしれません。

ところが、海音寺は即座に、「それは梅雨だったからでしょう」と答えたそうです。つまり信長は梅雨明けを待っていた。何故かというと、単純に火縄銃は雨が降れば使えないからです。それを聞いて、長年の疑問が氷解した司馬は唸ったことでしょう。

天正3年5月21日、つまり長篠の戦いの前夜は「どしゃ降り」であったらしく、そのあと梅雨明けの晴天のもとで戦いの火蓋は切られたらしいのです。

さて、この「赤穂浪士伝」ですが、かの有名な元禄時代の吉良邸討ち入りで本懐をとげた赤穂浪士たちのそれぞれの列伝です。また、それら浪士たち取り巻く女たちや、討ち入り直前で脱落してゆく浪士たちの葛藤が描かれています。それぞれ読み応えがあり、殊に「近松勘六」編は感動しました。

司馬遼太郎、吉村昭、浅田次郎など、いままでハマって全作品を読破してきましたが、これからはしばらく海音寺潮五郎作品にハマりそうです。さっそく数作品をネットで注文しました(苦笑)。

2012年4月20日金曜日

鉄の女について

先日、誕生日に一日休暇をとって、妻と映画を見てきました。久しぶりのデートです。二人っきりで映画を見るのも、「おくりびと」や「武士の家計簿」以来でしょうか。

今回見たのは「マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙」です。主演のメリル・ストリープは素晴らしかった。さすがに大女優ですね。オスカーをとるのも肯けます。

イギリス憲政史上初の女性首相として、その鉄のような強固な意志とリーダーシップによって、いわゆる「英国病」と呼ばれた最悪のイギリス経済を復活させたサッチャー首相を描いています。

雑貨屋の娘という中産階級から、まだその当時珍しかった女性の国会議員となり、保守党の教育相、党首、そして首相へと登りつめます。

労働組合や国営企業などの改革を推し進め、アルゼンチンとのフォークランド紛争での勝利、IRAによる度重なるテロとの対決など、彼女でなければ成し遂げられなかった歴史上の困難が描かれています。

政界引退後は痴呆症に侵され、次第に年をとってゆく様子がメリル・ストリープの怪演によって心に響きます。華々しかった政治家としての経歴とのギャップが一層胸をうちます。

彼女の首相として活躍していた時期が、ちょうどイギリス留学していた頃と重なり、あの頃の様々な思い出が蘇ってきました。

近い将来、今度は妻とイギリスに行って、若い頃過ごした場所を訪ねてみたいと思います。

2012年4月13日金曜日

北朝鮮ミサイル発射失敗

北朝鮮が「衛星」と主張して発射した弾道ミサイルは、「見事に」空中分解しました。バラバラになって黄海に落下したようです。まずは日本領土への被害もなく、ひとまず安心です。

しかし、まったく人騒がせな迷惑この上ない暴挙です。国民は食糧難で飢え苦しんでいるというのに、巨額の開発費をつぎ込んでこのザマとは呆れます。

今回の失敗によって、下ぶくれしたお坊ちゃまの権威も対外的メンツも丸つぶれでしょうね。まさにバカな3代目です。

今回のミサイル発射を強行した目的は、以下のようにいくつか考えられます。

① おじいちゃんの金日成主席誕生100周年のお祝い「打ち上げ花火」

② おとうちゃんの金正日総書記が生前計画していた事業の引継ぎ

③ 新たな指導者としての権威づけと国威発揚

④ 日米韓など敵対国への示威行為

⑤ 中東やアフリカなど第三国へのミサイル技術輸出(外貨獲得)のためのデモンストレーション

しかしながら、これらすべての企ては水泡に帰しました。さぞかし今頃は悔しさのあまり、駄々っ子のようにブヨブヨの身体を揺らして地団駄を踏んでいることでしょう。

一方、わが国の防衛にとっては格好の訓練となりました。ミサイル発射への対応として南西諸島への自衛隊配備という都合の良い口実も与えてくれたようです。おかげで第一列島線内に中国海軍を封じ込めるための一助となることでしょう。

2012年4月10日火曜日

原発再稼働問題について

福井県にある関西電力大飯原発の再稼動について政府判断されようとしています。明らかに再稼動ありきという前提に基づいた動きのようです。

関電による安全対策も十分とはいえない状況の中、政府は今夏の電力需給に対して、今月中にも最終判断したい考えのようです。節電による悪影響を心配する関西産業界の要望もあるようです。

国民の生命や財産を守るべき政府が、専門家の意見も聞かず、十分な検討もなく拙速に再稼動へ舵をきって良いものか。はなはだ疑問です。関電の筆頭株主である大阪市の橋下市長も、政府による安全基準を批判し、再稼動へ慎重な態度をとっているようです。

もともと大飯原発周辺にはいくつもの活断層があるそうです。もしこれら断層が連動して動いた場合、相当な揺れが予想され、安全対策に盛り込まれている耐震レベルでは不十分であるとの指摘もあります。

特に原発銀座と呼ばれている若狭湾周辺は、過去にも大きな地震が起きており、よくもまあそんな危険な場所に原発を建設したものです。まったく理解に苦しみます。

おそらく関電は、独自に実施した地質調査などのデータを都合のいいように利用し、多額の寄付金などで手なずけた御用学者たちのバックアップによって、建設を推し進めたことでしょう。

しかし、もし東日本大震災のような想定外の地震や津波に襲われた場合、第二のFUKUSHIMAになる心配があります。殊に複数の原発が集まる地域ですから、それらが一度に制御不能に陥り、大量の放射能を撒き散らす恐れもあります。

一番心配なのは、琵琶湖の放射能汚染です。関西地域の水瓶(みずがめ)ともいえる琵琶湖にもしものことがあれば、住民たちの飲料水に深刻な影響を与えます。大事な水が使えなくなってしまい、パニックを引き起こすのは必定です。

まだ記憶に新しいように、昨年、東京の浄水場で微量のセシウムが検出された時、コンビニなどからペットボトルがすっかり無くなってしまったのですから、まさに異常な事態になることは確実でしょう。

再稼働に向けての政府の慎重な対応や判断が望まれます。

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