福井県にある関西電力大飯原発の再稼動について政府判断されようとしています。明らかに再稼動ありきという前提に基づいた動きのようです。
関電による安全対策も十分とはいえない状況の中、政府は今夏の電力需給に対して、今月中にも最終判断したい考えのようです。節電による悪影響を心配する関西産業界の要望もあるようです。
国民の生命や財産を守るべき政府が、専門家の意見も聞かず、十分な検討もなく拙速に再稼動へ舵をきって良いものか。はなはだ疑問です。関電の筆頭株主である大阪市の橋下市長も、政府による安全基準を批判し、再稼動へ慎重な態度をとっているようです。
もともと大飯原発周辺にはいくつもの活断層があるそうです。もしこれら断層が連動して動いた場合、相当な揺れが予想され、安全対策に盛り込まれている耐震レベルでは不十分であるとの指摘もあります。
特に原発銀座と呼ばれている若狭湾周辺は、過去にも大きな地震が起きており、よくもまあそんな危険な場所に原発を建設したものです。まったく理解に苦しみます。
おそらく関電は、独自に実施した地質調査などのデータを都合のいいように利用し、多額の寄付金などで手なずけた御用学者たちのバックアップによって、建設を推し進めたことでしょう。
しかし、もし東日本大震災のような想定外の地震や津波に襲われた場合、第二のFUKUSHIMAになる心配があります。殊に複数の原発が集まる地域ですから、それらが一度に制御不能に陥り、大量の放射能を撒き散らす恐れもあります。
一番心配なのは、琵琶湖の放射能汚染です。関西地域の水瓶(みずがめ)ともいえる琵琶湖にもしものことがあれば、住民たちの飲料水に深刻な影響を与えます。大事な水が使えなくなってしまい、パニックを引き起こすのは必定です。
まだ記憶に新しいように、昨年、東京の浄水場で微量のセシウムが検出された時、コンビニなどからペットボトルがすっかり無くなってしまったのですから、まさに異常な事態になることは確実でしょう。
再稼働に向けての政府の慎重な対応や判断が望まれます。