2012年10月6日土曜日

イエスは結婚していた?

先月非常に興味深い記事が朝日新聞朝刊に載っていました。読んだ人もいるかもしれませんが、それはイエス・キリストに奥さんがいたのではないかというものです。

通説では、イエスは十字架にかけられ死ぬまで独身であったということになっています。もし妻帯していたことが真実で、そして子供がいたとしたら、イエスの子孫が世界のどこかで現代も生きているという可能性も否定出来ないことになります。

イエスに妻がいたかどうかをめぐる論争は何世紀にも渡って続いています。10年ほど前に話題になった小説「ダ・ヴィンチ・コード」(映画にもなりました)では、イエスが売春婦とされるマグダラのマリアとの間に子どもがいたとするストーリーでした。当時、あくまで「イエス独身説」を信じるキリスト教徒たちの怒りをかっているとニュースになったような記憶があります。

今回の妻帯説浮上の発端になったのは、米ハーバード大学のカレン・キング教授が、4世紀ごろのものとされる名刺よりも小さいパピルス紙の断片に古代コプト語で、「そしてイエスは言った。私の妻は……」と書かれてあると発表したことによります。

残念なことに、文章はそのあと途切れているそうです。もしそのあとの記述が残っていたら、その妻が誰だったのかが解ったかも知れません。しかし当のキング教授はあくまで慎重で、この発見によって実際にキリストが結婚していたことの証明にはならないとした上で、「初期の信者の一部が、キリストに妻がいたと信じていたことを示す初の証拠」と指摘しています。

それにしてもイエスには謎が多いようです。第一、何歳まで生きたのか、つまり何歳で十字架にかけられたのかさえ判っていません。実際、十字架にかけられ処刑されたのを裏付ける資料も残っていないそうです。

イエスと同じ時代に生きたヨセフス・フラビウスという歴史家が当時のことを記述しているそうですが、「イエスという宗教家が処刑された」とだけ書いていて、十字架とは一言も書いていないそうです。

人類の歴史を変えるほどの偉大な影響力をもったキリスト教のイエスについて、ほとんど肝心なことが判っていないというのは何とも不思議です。

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