2011年10月25日火曜日

娘よ。

習慣として、夜9時過ぎには2階の書斎に入って本を読んでいるか、寝室のベッド横でパター練習をしています。そして小学生になるふたりの娘たちは、必ず寝る前に部屋へ立ち寄り、「おやすみなさい」と挨拶をします。われながらデキた娘たちです。

昨晩、いつものようにふたりで挨拶に来た娘たちの次女の方が、どうしたのか何故か涙目になっていました。訳をたずねると、何も言いません。長女の方も次女に口止めされているのか、黙っています。また兄弟げんかでもしたのだろうと思って、その後ふたりの寝室を覗くと、次女が布団に顔を押し当てて泣いていました。人生最大の危機ともいった様子です。まさに悲劇のヒロインです。

何があったのか白状しなさいと迫ると、次の日の授業にもっていく算数のノートがどうしても見つからないと泣きながら声をひきつらせて応えました。カバンの中も探したし、机の引き出しもすべて調べたけれど、見つからないと言うのです。仕方がないので、夜遅くまで可愛い娘の為しばらく辺りを探しましたが、結局ノートは見つかりませんでした。

そして今日、仕事から帰宅して夕飯時に、ところでノートは見つかったのかと聞きますと、学校に行ってはじめて先生に最近提出していたのを思い出したとのことでした。まったく人騒がせな娘です。ところが朝の時点でノートがなかった娘は、思いがけない行動をとったそうです。使いきった古い算数のノートの表紙だけをはがして、それに何も書いていない別のノート部分をセロテープで貼りつけて持っていったとのことです。つまり彼女がやったのは偽装工作です。先生に気づかれないよう、大胆にも算数の授業の時にそのカモフラージュ・ノートを使おうと計画したのです。

その報告を聞いて、思わず飲みかけていた味噌汁を噴き出しそうになりました。つまり、学校に行く朝の限られた時間で無い知恵を出して算数ノートを急造し、持っていくことにしたのです。なんとも世渡りが上手なのか、たくましいのか、となりで焼き魚にかじりついている娘の横顔を微笑ましく眺めてしまいました。

娘よ。お父さんは、そんなあなたが大好きです。

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