2011年11月12日土曜日

ああ神様、仏様!

昨日は朝から、東京上野にある東京国立博物館へ行って来ました。今開催されている特別展「法然と親鸞 ゆかりの名宝」を見に行ってきたのです。

明け方から一日中あいにくの雨でしたが、たくさんの参観者でした。それも年寄りばっかり。博物館の中に入ってしまえば雨も気になりませんが、よくもまあこんなに人が集まるものかと、驚きと共にただ感心しました。展示室はどこも大勢の人また人でした。

浄土宗の開祖「法然」と浄土真宗の「親鸞」に関わりのある名宝の数々が展示されていて、大変興味深く見て回りました。11時頃に入館し、出てきたのが3時過ぎですから、4時間近くかけて展示品の一つ一つを丁寧に見て歩きました。終わった頃には足が痛くて、昼食もとらずに見ていたので、空腹でヘロヘロでした。

浄土宗、浄土真宗ともに、誰でも身分の別なく「南無阿弥陀仏」と唱えればーこれを専修(せんじゅ)念仏というー、阿弥陀如来が支配する極楽浄土へ行けるという教えは、当時の人々に広く受け入れられたようです。平安末期、戦乱は絶えず、疫病は蔓延し、飢饉による飢餓が続く現世に苦しむ人々にとって、死んだ後は極楽へ行きたいと願う気持ちが強かったのかもしれません。ちなみに日蓮宗では「南妙法蓮華経」ですね。

しかし日本独自の仏教がこの時代から始まっています。鎌倉仏教から日本の宗教は大衆へと広まったようです。ブッダによる「オリジナル」の仏教にとって、救済という教えはなかったのではないでしょうか。ただ解脱のみ。特に今の葬式仏教をゴータマ・シッダールタが見たら、腰を抜かすのではないでしょうかね。

そんなことを知っていたのかどうか、終戦直後の連合軍総司令官ダグラス・マッカーサーと渡り合った白洲次郎は葬式が大嫌いだったそうです。その遺言には、「葬式無用 戒名不用」の2行だけだったようです。

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