2011年11月15日火曜日

開国するべきか?

ローマの歴史家クルチュウス=ルーフスの言葉に、「歴史は繰り返す」があります。つまり歴史上、過去に起こった事象は、同様にして、その後の時代にも繰り返し起こるということです。

現在賛否両論で議論が沸騰しているTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の問題を考えるとき、徳川300年の長い鎖国を解き、開国を決めた幕末期の混乱となぜか重なります。

幕末、米国のペリーに率いられた黒船による砲艦外交に屈して、幕閣はやむなく開国を決断します。1854年(安政元年)には横浜において日米和親条約を結び、その後、安政5年(1858)には日米修好通商条約を結びます。いわゆる日本側に不利な不平等条約です。そして、それを知ったオランダ・ロシア・イギリス・フランスも同等の条約を要求し調印します。

ニュースによると、野田総理がAPECでTPP参加協議へ入ることを表明した途端、カナダやメキシコも参加を表明したようです。どこか幕末の状況に似ていませんか? 今後は余程しっかりと国益を考えて協議をしていかなければ、不平等条約を引き継いで長年大変苦労しながら改定していった明治政府の二の舞になりかねません。

周知の通り、朝廷の正式の許可もなく開国を決めた大老井伊直弼は、攘夷の嵐の吹き荒れる中、水戸浪士たちに桜田門外で暗殺されてしまいます。この事件は幕府の権威を失墜させ、それを契機に日本は明治維新へと突き進みます。

現代の日本もしばらくはこのTPP問題で混乱が続くのでしょうかね。やはり、開国という時代の流れは止められないのでしょうか? つまり、「歴史は繰り返される」のでしょうか。

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