2011年9月15日木曜日

煩悩(ぼんのう)について

石庭で有名な京都の龍安寺には、水戸光圀(みつくに)が寄進したという銭形のつくばいがあるそうです。そのつくばいには「吾唯足知」の四文字が刻まれていて、「われただたるをしる」と読むそうです。つまり、「足ることを知るものは、貧しいといえども富めり。足ることを知らざるものは、富めりといえども貧し」という意味だそうです。

仏教によると、人間が悩み苦しむのは、煩悩(ぼんのう)があるからだそうです。煩悩とは何かというと、身体をわずらわす「煩(ぼん)」と、心をなやます「悩(のう)」を合わせた言葉だそうで、108種類、84,000の煩悩があるいわれます。除夜の鐘を108回つくのは、それら煩悩を打ち砕き消し去るという意味が込められているようです。心身ともに新たな気持で新年を迎えたいという願いからでしょうか。

人が悩み苦しむ原因は、根本煩悩という6種類があって、なんでも欲しがる心や、何事も人を疑ってかかる猜疑心、すぐに他人と比べてしまう卑屈な心、それによって生まれる妬み心など、さまざまな心の状態に起因するようです。「足ることを知らない」と、人はそれら煩悩の中で絶えず迷い、固執し、次第に苦しみ始めます。

つまり、心の平安を求めるならば、しっかりと自分をみつめ、もともと自分は人とは違っているんだという、自分自身の独自性と多様性を認識することだと思います。そして、何事も前向きに、ポジティブに生きる事が大切だと思います。「吾唯足知」を心に刻みましょう。

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