2011年9月2日金曜日

最後の将軍

約300年続いた徳川幕府の最後の将軍、徳川慶喜(よしのぶ)のひ孫にあたる徳川慶朝(よしとも)という方が書いた、『徳川慶喜家にようこそ』を読みました。

司馬遼太郎作品で『最後の将軍』も読んでいましたし、他の様々な幕末小説にも登場する慶喜ですから、大変興味深く読み終えました。

「ラスト・ショーグン」ともいうべき慶喜は、家康から続いた徳川幕府を終わらせたあと、意外にも、明治・大正まで長生きをしています。

ということは、倒幕の先鋒であった薩摩の西郷隆盛が西南戦争で死んだ時も、そしてまた、大久保利通が暗殺された時も生きていたことになります。一体どういった思いでそれらのニュースを聞いたのでしょうね。

また、大正時代まで生きていたということですから、明治維新から富国強兵へ日本は変貌し、日清・日露戦争での勝利で湧き上がる様子も目撃しているのですから、何とも不思議な生涯だったと思います。

さきほどの本によると、慶喜は晩年になると非常に食べ物に対して神経質になり、いつも水とアルコールランプを携帯し、それで入れるお茶以外は一切口にしなかったそうです。どうも疫病を恐れたようですが、ある時、大好物のきな粉を顕微鏡で眺めていたら、多数の虫がいるのを発見し、それから一切きな粉を食べなかったそうです。

やはり口に入れるものにはそれほどに気をつかったようですので、長生きできたのでしょうか。

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