2010年6月16日水曜日

星に願いを

「鳩」去って、「はやぶさ」帰る。

小惑星探査機「はやぶさ」が、60億キロメートルという遠い旅を終え、日曜日に地球に帰還しました。実際は、「はやぶさ」本体は大気圏突入時に燃え尽きてしまったようですが、突入前に切り離した、小惑星「イトカワ」の砂を採取したであろうカプセルが、オーストラリアの砂漠で無事に回収されました。

60億キロメートルを数字で表すと、6,000,000,000キロメートルとなります。途方もなく遠い。果てしなく広がる宇宙空間の中、7年もの間ひたすら飛び続け、大海に漂う小さなゴミともいえる小惑星にたどり着き、地表のサンプルを採取して、また地球に帰ってきました。そのミッションを完結させる技術たるや計り知れないものがあります。ただただ驚くばかりです。

しかし、限りなく拡がる宇宙の広さを考えると、60億キロメートルといっても、玄関から出て、すぐに戻ってきたようなものでしょうね。私たちが住むこの地球は銀河系の中にあります。そして地球から銀河系の中心までの距離は3万光年だそうです。光は1秒間に地球を7周半(30万キロメートル)するそうですから、つまりピカッと光った光が3万年かかって中心に届くということになります。銀河系の隣にあるアンドロメダ銀河は、銀河系から230万光年も離れているそうです。考えただけでも気が遠くなります。

私たちが、いま目にする夜空に瞬く星たちの煌めきは、何千年もの遥か昔にキラリと光った光が、無限に拡がる宇宙空間を突き抜け、やっと届いたことになります。いま見ている星の光は、ベツレヘムで産声をあげたイエス・キリストが生まれた瞬間に光った光かもしれません。


そんなことをツラツラと考えていると、人間の一生とは何と短いのでしょう。ほんの一瞬です。くよくよと悩む暇などありません。


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