2011年7月3日日曜日

風力発電についての考察


いま原発に代わる再利用可能エネルギーとして、太陽光や風力発電が注目されています。

特に風力発電は、他の発電方式に比べて、建設コストも比較的少なく、また維持管理経費なども低く、石油や石炭などの化石燃料が排出するCO2も出ません。まさに天然資源の乏しい日本にとって、これからこうした自然エネルギーを開発していくことが望まれます。

新聞によると、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、風力の発電量を予測するシステムを3年前に開発し、青森県六ケ所村の二又風力発電所で実用化されているそうです。いまはデータを蓄積中で、予測精度を磨いているようです。

しかしながら、理想的な発電システムだと思って詳しく調べてみると、風力発電にも様々な問題点があるようです。

第一に、ある一定以上の強さで風が吹く地域である必要から、建設予定地が限定されます。また、日本では特に山の尾根などに風車を建設するため、資材の搬入用道路などの工事で森林が伐採され、工事期間中、大雨などで土砂が流れだし、近隣の河川や海の汚染、また漁業資源への悪影響が懸念されます。

その他の問題点として、いくつもの巨大な風車が立ち並ぶと、景観を損ねます。また、鳥類への影響もあります。実際、渡り鳥やオジロワシ、オオワシ、イヌワシなどの猛禽類が風車に巻き込まれ、そのブレード(羽)によって切断される事故が起きています。

最後に、調べてみて初めて判ったのですが、風車が起こす騒音被害も深刻のようです。ブレードの風きり音やローター(発電部)の回転軸音などが引き起こす低周波音により、近隣住民の睡眠障害や自律神経失調症状などの健康被害が起きています。そのため、風車の建設は、住宅から最低500メートル以上離れていることが条件となっているようです。

風車の寿命は16~17年程度で、強風などでブレードが破損し、その破損部分が住宅地などに飛散して危険なこともあるようです。また撤去費用も膨大で、放置される可能性もあります。

安全でクリーンな発電だと思っていた風力発電も、このように様々問題を抱えているようです。

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