2011年7月6日水曜日

徳のある政治

古代中国の思想家で、孟子という人がいます。孔子と並び称される偉大な賢人です。その彼に、「禅譲(ぜんじょう)と放伐(ほうばつ)」という説があります。これは、ときの権力者(トップ)について如何に交代すべきかを説いた教えです。

「禅譲」とは、時の権力者(トップ)が徳を失った場合、徳のある他の人へ地位を譲らなければならないという説です。つまり、醜い権力争いなどせず、自らきれいに身を引き、平和裏に後進に託すということです。

一方「放伐」とは、トップがすでに徳を失っているにもかかわらず権力にしがみついている場合は、徳のある人が実力で追い出すことができるという説です。実力でということは、歴史上、戦力でもって引きづり下ろすことでしょう。中国五千年の歴史をみると、新しい王朝は絶えずこの「放伐」によって生まれています。

ところで孟子のいう「徳」とは何でしょうか? 作家童門冬二によると、「王道政治(人民を幸福にする政治)のおこない手である」とのことです。歴代中国王朝にとっては、すべての人民が飢えることなく、戦争のない平和な生活を保障するということでしょうか。

さて、いまの日本にとって、はたして菅総理のあとを任せられる、「徳」をもった政治家がいるでしょうか?

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