2010年7月13日火曜日

英語について

日々英語に携わる仕事をしています。正直なところ毎日が勉強です。絶えずボキャブラリーやイディオムを増やし、新しい表現方法を身につけています。

英語の勉強をスタートしたのは中学校1年生の時ですが、最初の教科書をもらってひどく落ち込んだ記憶があります。書いてあることが何も解らなかったからです。まったくチンプンカンプンで、どうして「This」が「これ」という意味になって、「is」が2番目に来なければならないのか、理解できなかったからです。いま振り返ってみると、なんとも恥ずかしい限りです。外国語というものを母国語で考え、なんとか理屈で理解しようとしていたのです。

それからしばらく経って、ある日ふっと気づいたのです。英語というのは日本語とはまったく違った言葉なんだと。当然のことと言えば、当然のことですが、つまり、何故そう言うのかと疑問を持つよりも、そう言うような決まりになっているんだということです。英語を日本語で考えることを止め、英語という言葉をそのままそっくり理解しようと努めました。アメリカ人の子供が、両親や身の回りで話されている言葉を自然に覚えていくように。

その後、イギリスへ留学しました。ところが、あれほど学校で勉強した英語がうまく使えないのです。これには愕然としました。まず第一、ヒヤリングが出来ていないので、相手の言っていることがうまく理解できていませんでした。笑ってごまかすのが日常的になりました。悪戦苦闘の日々でした。もう一度英語を一からやり直す覚悟で取り組みました。いま振り返ってみても、あれほど勉強した記憶はありません。毎日毎日よくもあれほど勉強したものです。

留学した当時のことで印象に残っていることがあります。それは「You」という言葉です。英語にとって、「You」ほど相手を呼ぶのに簡単で、一般的な言葉はありません。ですが、目上の人に対して、どうしても「You」と言えなかったのです。いま思うと笑い話ですが、相手が誰であれ、すべて「You」で済ませられる英語とはなんと平等な言葉かと再認識したのです。

幕末、土佐の郷士たちが脱藩したあと、「これからは、オラ、オマン(おれ・おまえ)と呼び合おう」と言いかわしたようです。
人間は、「I & You」という1対1の対等な関係で絶えず接していくのが大切ですね。

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